銀山温泉「古勢起屋別館」｜川の音に癒される、大正ロマンの湯宿

川沿いに建つ木造3階建ての宿は、大正ロマンを色濃く感じさせる情緒たっぷりの佇まい。温泉街の散策に最適な立地で、静けさと風情を同時に楽しめる素晴らしい時間でした。

銀山温泉の中心にある「隠れ宿」のような存在

「古勢起屋別館」は、銀山温泉の象徴的な街並みの中央に位置しています。

宿の目の前を流れる銀山川のせせらぎを感じながら、橋を渡ってアプローチ。館内に一歩足を踏み入れると、磨き上げられた木の床や梁、レトロな調度品が、まるで時間旅行のような感覚を与えてくれます。

宿の客室はすべて川向きで、どの部屋からも銀山川を眺めることができます。私が泊まったのは、畳敷きの広縁付き和室。

シンプルで清潔な造りながらも、障子越しに入るやわらかな光と、窓の外に広がる川と山の風景が、日頃の疲れをじんわりと癒してくれました。

古勢起屋別館の内湯は2ヶ所。どちらも銀山温泉の源泉100％かけ流しで、ほんのり硫黄の香りがするやさしいお湯が特徴です。

浴室自体は大きくはありませんが、温泉街の喧騒から少し離れた静かな空間で入るお風呂は、まさに「癒しの時間」。

さらに嬉しいのが、姉妹館「銀山荘」の大浴場・露天風呂・寝湯も無料で利用できること。こちらは開放感たっぷりで、銀山川を見渡す絶景風呂です！

夕食は、地元食材を使った季節の和会席。
山形牛の陶板焼き、地元の山菜やきのこを使った煮物、つや姫ごはんなど、山形らしさをしっかり感じられる献立でした。

派手さはないけれど、一品一品が丁寧に作られていて、心と体がほっとする味わい。器や盛り付けにもセンスがあり、目でも楽しめました。

朝は、湯豆腐や温泉卵、炊きたてのごはんに味噌汁と、シンプルながらも滋味深い朝ごはん。

大きな窓から朝の川景色を眺めながらの朝食は、まさに非日常。朝の静けさと、温泉地のゆるやかな時間の流れを感じられる贅沢なひとときでした。

「古勢起屋別館」は、大正時代から続く歴史と銀山温泉の情緒が詰まった、まさに**“静けさを楽しむ”ための宿**でした。

観光名所として人気の高い銀山温泉ですが、この宿に泊まることで、ただの観光地ではない「時を超えた旅」の魅力を感じられるはずです。