肘折温泉「丸屋旅館」｜レトロモダンな隠れ宿で“湯に癒やされる”大人の休日

明治元年創業、肘折の湯と共に時を刻んできた老舗旅館ですが、館内は驚くほどスタイリッシュ。
古き良き温泉情緒と、洗練された和モダンな空間が見事に調和した、まさに“大人の隠れ家”でした。

◆ チェックインから伝わる丁寧なおもてなし

丸屋旅館は、肘折温泉街の奥まった静かな場所にあり、まるで時が止まったような空間に包まれています。

チェックイン時には、木の香りただようロビーで丁寧にお迎えしていただき、心がスッと落ち着きました。
スタッフの方々の物腰も柔らかく、**「ようこそ、湯治の世界へ」**と誘われるような空気感が印象的です。

客室はたったの7室。
すべての部屋が趣の異なる和モダン設計で、照明やインテリアも上品。

私が泊まったのは、檜の箱風呂付きの「月山」というお部屋。
夜は川のせせらぎを聞きながら湯に浸かる、まさに至福の時間でした。

お風呂は、100％源泉かけ流し。
丸屋旅館では2本の自家源泉を使っており、湯の新鮮さ・湯温・泉質のすべてが素晴らしいです。

湯船は檜と石造りの内湯、露天風呂、そして客室風呂。
特に朝の露天風呂は、湯けむり越しに朝日が差し込む幻想的な光景に癒されました。

泉質はナトリウム・塩化物・炭酸水素塩泉。
しっとりと肌を包み込む感触で、湯上がりは体の芯までポカポカ。

夕食は、地元の旬を活かした創作和会席。
山菜、川魚、芋煮、納豆汁…どれも素朴ながらも丁寧に仕上げられ、五感で山形を味わうひとときでした。

器や盛り付けにもこだわりが感じられ、食事の時間そのものが癒しに。

朝食は、湯豆腐や季節のおひたし、自家製漬物など、体に優しい内容で朝からほっこり。

肘折温泉は、まるで昭和にタイムスリップしたかのような町並みが魅力。
旅館の目の前を流れる川や、手掘りの共同浴場「上の湯」、朝市などもぜひ散策してみてください。

“歩くたびに見つかる懐かしさ”が、日常の忙しさを忘れさせてくれます。

「丸屋旅館」は、派手さや豪華さはありません。
ですが、本物の湯・本物の静けさ・本物のおもてなしがここにはあります。

こんな方におすすめです：

静寂の中で、五感が研ぎ澄まされるような時間。
また必ず再訪したい、心に残る宿となりました。