天童温泉「天童荘」｜美食と静寂に包まれる大人の贅沢時間

将棋の街・天童にふさわしく、静寂の中に知性と品格が漂う大人の隠れ家。
一歩踏み入れた瞬間から、日常の喧騒を忘れさせてくれる“非日常の時間”が始まりました。

🏡 風情あふれる数寄屋造りの館内

天童荘は、わずか11室の客室をもつ小規模高級旅館。
すべての客室が数寄屋造りで、畳や障子、和紙の照明など、日本の美を感じさせる落ち着いた空間です。

私が泊まったのは、露天風呂付き離れ「離塵境」。
広々とした客室に、坪庭が見える専用風呂付き。贅沢すぎる空間に心がほどけていくのを感じました。

2024年にリニューアルされたばかりの大浴場は、木の香り漂う内湯と、自然を望む開放的な露天風呂を完備。
湯はややぬるめで、長時間入っていても疲れにくく、身体の芯から温まります。

客室の露天風呂では、誰にも邪魔されず好きな時間に湯浴みが楽しめるのも魅力。
夜には虫の声、朝には鳥のさえずりを聞きながらの温泉は、心身ともに癒されました。

天童荘のもう一つの魅力が、「食」。
かつて鰻専門店だった歴史を持つだけあり、名物の「うな重」や「鰻の白焼き」はまさに絶品。

この日の夕食は、山形牛のステーキ、旬の山菜、だしの効いたお吸い物など、季節の恵みを活かした懐石コース。
見た目にも美しく、味も繊細。ひとつひとつの料理に、職人の丁寧な仕事が感じられました。

スタッフの方々のおもてなしは、決して出過ぎず、それでいて完璧。
まさに「さりげない心配り」に感動しました。

滞在中は一切のストレスがなく、気持ちよく過ごせるというのも、老舗旅館ならではの強みだと感じました。

「天童荘」は、派手な演出こそありませんが、細部に至るまで丁寧に磨き上げられた、上質な時間を味わえる宿でした。

温泉、料理、空間、すべてが“本物”。
大切な人と過ごす旅にも、自分をいたわる一人旅にもぴったりです。

次は雪の季節に訪れてみたい…そう思わせてくれる、また帰りたくなる宿でした。